あるるる~と。

娯楽感想備忘録

『英国王のスピーチ』2010年118分イギリス・オーストラリア制作

~あらすじ~

吃音症に悩む王と、その言語療法士の話。
イギリスの史実が元にされている。


※以下ネタバレアリ


~感想~

良い映画だった。

特にラストのために、ちゃんとした演説シーンは、
冒頭意外無かったところがしっかり効いていて良かった。すごく良いクライマックス。


冒頭シーンとラストシーンの対も、ハッキリとしていて美しかった。それぞれスピーチシーン。
この対のハッキリさ的に、三幕構成…かな?
治療開始、【王になる】、戴冠or戦争。って感じかなー。ちょっと曖昧。王になる、というより治療中断の方かな。
難しい。わからなーーい!

冒頭のセリフが後半効いてきたり、1シリングとか、そういう映画らしいお約束というか回収もあって心地よかった。


吃音症って治るものなんだなと、知らなかった。
そういうものだと思っていた。受け入れたり、気を付けるしかないものなのかなと。でもそうじゃないんだね。知ることができてよかった。
原因があるものなんだね。
凄い映画、史実元だし……、すごい、良い。
てか、
やっぱり親や育つ環境って大きいなと思う。
兄弟両方とも、厳しい国王とか、辛いいじめの反動だったりするのではと思う。三つ子の魂……、というかね、うーん、難しいね。
「5歳の頃の恐れなど忘れていい」
「もう自分の道を生きている」

腫瘍~~ってのは多分、早口言葉か何かだね。面白いな。

始めに読ませた本も、凄く刺さる本の内容で、良かったなぁ。
「生きるべきか 死ぬべきか それが問題だ」
自分の声が邪魔なのかな、とか少し思った。確かに自分の声を聴きながら話すのって、少し難しいから(これは少し違うかな)。


各シーンも美しかった。俯瞰の屋敷とか。カメラワークが大胆というか、引きもアップもキレイ。低めな色温度も良い。
王妃のドレス、帽子とかもよかったな。
あと家ね。ライオネルの家よかった、家族も良い。お互い家族が暖かで良かった。
姉妹のみと兄弟のみと、ここも少し対照的…だったかな?

沢山書き込みの加えられた台本、まるで楽譜のようだった。
指揮。流れる音楽。

印象に残ったシーンとしては、
クライマックスは勿論だけど、その前の戴冠式の稽古シーンが結構印象に残ってる。
何かがこれから始まるような、準備のようなはずむ音楽。
そして、ジョージ6世が、笑みを浮かべる。
あの笑みがすごくよくて、刺さった。いつも険しい何かに悩むような顔をしていて、優しい顔をするのは家族の前だけで、それでも家族の前でも結構険しい顔をしている王だったから。
とても良いシーンだった。

泣くシーンや、過去をライオネルに話すシーンも良かったな。
「僕は王じゃない」
「“ステキな吃音 幸せになれそう”って」
馬車内でマシュマロを食べる王妃にくっつく王のシーンも仲良し夫婦でよかった。娘たちに物語をお話しするシーンもあたたかくて好きだな。


久しぶりにイギリス映画が観られて嬉しかった。
ハリー・ポッターでおなじみの俳優が多く、その点でもイギリスを感じた。
(ヘレナ・ボナム=カーター、マイケル・ガンボンティモシー・スポール)
ヘレナ・ボナム=カーター、美しいですね。映画で観る度、良い女優だなと思う気がする。観るか決める時に背中を押された一要因でした。
序盤のシーンでも、街がメチャクチャ霧で何も見えなくて、あれもイギリス感あった。

私が観た翻訳より、予告の翻訳の方が個人的に少し好みだったかな。
何故診療所に来たのかのシーンや、ヒトラーの演説に対しての感想とか。

Wikiによると、映画内の重要台詞の幾つかは、実際のメモの引用であったりするらしいです。
イイですね。
終盤、実際の映像が映し出されたりする演出も、良かった。
年々で進んでいくのも、良かったな。

(全く関係ないけど、軍服の袖のところにくるんとした円の飾りがあって、
『帝一の国』のあの学ランの袖のくるんとした円の飾りって、軍服モチーフだったのか!と気づいて感心した。検索したら日本の軍服にもくるんとした円の飾りがあるものがあるみたいですね。)


面白かった。

★4.5
「私には王たる“声”がある!」

2018/09/21 鑑賞