あるるる~と。

娯楽感想備忘録

『ローラーガールズ・ダイアリー』2009年112分アメリカ映画

ゲームメーターに続き、鑑賞メーターも今秋でサービスを終了するという事で、
今後はブログに映画感想を綴っていこうと思う。


~あらすじ~

17歳のブリスは、母の意向のままに美人コンテストに参加している。
ところが彼女は、ある日知ったローラーゲームに魅了され、家族に内緒で入団テストを受ける。


※以下ネタバレアリ


~感想~

家族、親友って、良いね!映画。
観終わった後は、家族を大切にしたくなる映画だと思う。
それに、出会えた気の合う友人・仲間を大切に。


JUNO/ジュノ』の主人公を演じた、エレン・ペイジが主演だったので観た映画でした。
JUNO/ジュノ』は去年観た映画のなかでも、かなり上位に挙がる作品なんだけど、エレン・ペイジは良い女優ですね。
メロメロの目と、寂しそうな目と、目がかなり感情を物語っていてイイ。
ファイターな女性たちがたくさん出てきて、女性の強さを感じる映画でした。荒々しい女性、ロックな雰囲気を持った女性が多数出てくる映画としては、なんだか『ランナウェイズ』を観た時の感覚とも近いものを思い出したかな。
何でも付き合い合える親友も、良いね!と感じた。親への隠ぺいに始まり、吐かせてあげたり、一緒に寝たり。ナイスソバカス。
映画では失敗してたしあまり関係ないけど、髪を青く染めたくなった。

魅力的な脇役は、スマッシュリーかな。
いつも遅刻で、クスリがきいてるのか常にトんでて、すぐ殴りかかって婚約者も笑顔で殴りまくる。ハチャメチャ暴れん坊だけど、とっても明るくて、妙なキュートさをもった人物でした。
演じたのは、今作で監督を務めた女優ドリュー・バリモアということで、やっぱり監督は良い役やってるね!


題材である、ローラーゲームのシーンは、結構激しいので観ていて楽しい。
試合後のみんなの顔を正面から順番に映した凱旋シーンは疾走感もあってよかった。
ガンガン殴ったりするので爽快!技であるホイップも決まるとキモチイイ!
ローラーゲーム外でもガンガン殴ったり突き飛ばしたりしてサイコー!

映像的に印象に残ったのは、やっぱりプールのシーン。
水面のゆらめきが、空間中に反射する導入からとても綺麗だったけど、
水中でのキス、イチャつき、とても綺麗でしたね。
…海外では夜のプールに忍び込むって結構あるシチュエーションなんだろうか?
(某タイムリープADVゲームや、DyEの『Fantasy』MVでもあったよね)
(まあ、日本でもたまにあるかもしれない)

台所での両親との会話シーンも、家族の繋がりが感じられる良いシーン。
「相手が誰でも あなたにふさわしくない」恋をして失い傷ついた娘に対して投げかける親の言葉だ。
煙草を吸い始めるお母さんの振る舞いもグッとくる。その後の優しい父も。良い両親、娘。

一ヶ月会えないから互いに衣服を交換した際に託したお気に入りのストライパーTシャツを、他の女が着ている写真発見での浮気発覚も、エグい上に簡潔でよかった。Tシャツの本来の持ち主がお母さんだったことも良い。
「こんな女はイヤ」も良かった。

又、些細なシーンだけど個人的に良かったのは、
青髪失敗後のブリスが、バスで隣に座った綺麗な青白髪のおばあさんの髪を褒めるシーン。
何本も映画を観ていると、たまに人が全く関係無い他人に対して容姿等を褒めるシーンがあったりするんだけど、ソレって良いねと思う。あたたかな感じがする。
そのあとも一瞬のカットで、ノートを読みつつおばあさんの毛糸玉を持ってあげたりしていてほっこりした。

バイト先の豚の上で朝日を浴びながら、遠くをみつめ本当に薄く微笑するラストも、エレン・ペイジがなんとも言えない表情をしていて…良い。これから先も生きていく。


多分、珍しく三幕構成で作られていない映画だった。
どちらかというと、起承転結寄りかな。
ローラーゲームと出会ってから、デビュー戦にポスター選出に…ドンドンドンドン絶頂に上り詰めて行き、中盤過ぎ辺りに崩壊、そこからの再生と終結
序盤に出てきた要素や流されていた要素が、〆に近づくにつれバンバン出まくり活きるのが心地よかった。

物語としては、
親の希望に上手く応えられず抑圧されている少女が、ある日外の世界を知り自立を望むが、結局子供なため痛い目を見て、最終的に大切なものを知る。
みたいな話なんだけど、これは結構リアルというか、そういうものだよね~~って流れで良かったかなと思う。大きな軸だけでみれば、似た様な事は大なり小なり多くの人が通っているんじゃないだろうか。
悪く言えばありきたり、良く言えば普遍的な内容だった。スポ根らしく、最初はバラバラのチームが最終的にはまとまります!コーチも良かったね。

今作のブリスは、なんたって17歳なので、若さ故に多少痛い目はみたとしても得る物も大きいはずで、良かったね!と思う。
「だから優しい人が好き 傷つかずに済む」親友は、勉強もできるしバードマン選ぶし、聡明で良い子だったなぁ~。
まあブリスが失ったものは少女さぐらいで、大切な家族も親友も居るままだし、新しく好きな物と仲間も若いうちに得られたので、自立や成長に付属してしまう代償としては全然Winじゃないかな。大人への階段ですね。


結構楽しく観れました。
★★★☆☆ 星3つ