『リップヴァンウィンクルの花嫁』2016年180分日本制作
~あらすじ~
それなり、普通、人並みに生きていた、七海。
しかしその普通は、あっさりと崩壊していく。
※以下ネタバレアリ
~感想~
- メモ
- ストーリー
- 三幕構成…なのかな?中盤で、依頼側からキャスト側となり、ガラッと流れが変わったと思う。
- (何でも屋との出会い)、離婚、キャスト側へ(真白との出会い)、依頼主の正体、真白の死後。……かな?ポイント。
- (始)人混みの喧騒のなかの七海、から、(終)静かなアパートで一人たたずむ七海、へ。
- 三幕構成…なのかな?中盤で、依頼側からキャスト側となり、ガラッと流れが変わったと思う。
- 映像
- 手持ちカメラで、結構揺れる。
- 全体的に少し青みのある映像。
- 路頭に迷っているシーンや、踊っているシーンなど、他にも端々で、岩井俊二作品らしさを感じるシーンがあった。
- カメラワークかな。回ったりだとか、ちょっとスローになったり。
- 隠しカメラ視点
- 音楽
- 大きなシーンで流れるクラシック。印象的。引き立つ。状況との対比とかもあるし。
- 七海の歌う『ぼくたちの失敗』は合い過ぎてて、上手いし、おお…だった。
- 役者等
- 印象に残ったシーン、台詞、他
- 「幸せになってほしいのよ」「俺たち、結局は親だもん」
- 最後の真白母との対面シーンといい、花嫁という言葉もでているし、結構親子の概念も関わる話だったんだろうなと感じた。
- 結婚式シーンは、メチャクチャ共感性羞恥を感じて観ていてしんどかった。
- 「その気があるから落ちるんです」
- 「自分が今、どこにいるかわからないんですけど」「私、どこに行けばいいですか」
- スピード婚信頼ないね…。というか、信頼関係等を作ることが、七海はかなり下手な方な人間なんだなと思う。相談等もしない。抗いもしない。だからすぐ切れちゃう。
- 偽家族とか、みんな仕込みでは?とどんどん疑わしくなってくる。
- プラネット。オリジナルSNSなんだね。
- アイパッドで楽譜?みてるの今どき。
- 「今日は3P頑張った!」
- こういうなんか、微妙に軽い感じにする言い方とか要素が入る。バランス取りがされてるなと思う、七海をパート辞めさせる際のホテルへのフォローとか。別れさせ屋のキャラとかもかな。葬式での嘘家族とか。
- コップの音、海の音。
- 「あたしこの涙のためだったらなんだって捨てられる 命だって捨てられるよ」
- 結婚式、エア指輪、二人だけのパーティ。
- タイトル回収かなー。うーん。
- 「幸せの限界」
- 「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ みんながよくしてくれるんだ」「そんな簡単に幸せが手に入ったら私壊れるから」「買うのが楽」「優しいんだよ、この世界はさ」
- 「一緒に死んでくれる?」
- 「里中真白は自分にしかできないから」「女優やってなかったらもうほんとなんもない」「死んだら意味ないよ」
- 子供の絵貼ってあるし、捨てたと言っても、親は親なんだろうなって。母親めっちゃリアル、~だろォとか~よォとか。
- 裸になるシーン、ここ安室笑ってるだろと思うけど、泣いてるのかな。でもこれも演技に感じるし、安室の本心等は本当に最後までよくわからなかった。
- ベタを移し替えるシーンとか、アレはなんだろう。2人を掛け合わせるみたいな…?生きられるか…?難しい。
- 別れさせ屋とも繋がりがある事を考えると、偽家族もここからバレてるわけだけど、どこから目をつけられてたんだろう?と。どこまで手のひらの上だったのか。全部偶然、丁度良かったから…なの?。それも中々無情、心中役だよ。
- 眺めのいい部屋が良い、って真白の希望が継承された感じ。
- エア指輪…。
- 「ランバラルの友だちですから」
- 繰り返されるこのセリフ、すこしキーっぽく、フックとなっててひっかかる。
- ねこかんむり。角隠し。
- 「幸せになってほしいのよ」「俺たち、結局は親だもん」
- ストーリー
声も小さく、周囲の言いなりで、離婚の危機にすら抗わず流されていた七海が、
真白と出会い、屋敷を出る選択を自らし、彼女の死に叫び、最後は大きな声で安室に礼を言うまでに変化する。
人は、関わる人間や周囲の環境で、いくらでも変わる事が出来るんだよな、と思う。
人と沢山関わる事で、どんどん物音が転がっていくところが、良かった。
テーマはなんなんだろ、人生…?
花嫁……。女の一生?
SNS。複数ある名前。現代人の姿?現代的人間関係?
うーん…。。。
岩井俊二作品で、気になってはいたけど、3時間と長いのでなかなか観れていなかった映画。
岩井俊二作品は、まだ『花とアリス』『花とアリス殺人事件』くらいしか観れてないけど、『花とアリスが』結構好きな作品なので、気になっていた。
やっぱり岩井俊二作品だなーっという感じが、結構しました。当然だけれど。
どの登場人物も、結構こういう人いそうだなっていう感じがした。
七海は、結構色々…、なんというか愚か…な感じで、周囲に利用されたり陥られっぱなし。幸薄い。
諦めがちというか、自分がないのかな、なんでもいいのかな?と感じてしまう人物なんだけど、
一応ちゃんと自我はあるみたいで、償いに身体を求められたら流石に拒否するし、偽家族で飲んだ時も一人だけレモンサワーを飲んでいたりする。ホテルですぐ仕事を見つける行動力もある。
自分が無いのではなく、単に少し気弱なだけの人物なのかな、と思う。
それにしても色々と思慮に欠けていたり、無防備過ぎる様に感じるが、
それは同時に彼女の純粋さの表れでもあるのだということが、物語の後半にもなるとわかってくる。
真白と出会い、仲良くなって、真白の状況等に対して心から泣いたりするのは、彼女の心の美しさからきているものだし、七海の涙で真白はいくらか救われたはずだ。
七海を取り巻く環境は、ドンドン移り変わって、冒頭と結末では、全てが違う程だけど、
唯一変わらず、一人の教え子だけは居続けるのがイイと思う。本来あるもの、現実との繋がりというか。
変わる前の七海から、欲し好いてくれてる子が、一人でもいるというのは、それはとても救いに感じる。
あの子が出てくるシーンが好きだった。
少し人と関わりたくなった。
知らない人と関わって、知らない環境に身を置いて、知らない所に行きたい。
★3
2018/09/29 鑑賞