『イヴ・サンローラン』2014年106分制作国フランス
~あらすじ~
イヴ・サンローランの伝記映画。
彼の生涯を、主にパートナー ピエール・ベルジェとの関係を通して描く。
※以下ネタバレアリ
~感想~
- ストーリー
- 展開
- 窓際の机で始まり、終わる。デザイン画を描いてる。若いイヴから、老いたピエールに。
- 中心頃二人がギクシャクし始める。後半はかなりドラッグ漬けになる。
- わりと三幕構成に近い構成かなと思う。(ディオールの後継、独立、成功、堕ちる、愛憎、〆のショー)でもそこまでハッキリとはしてないかも。
- 唯一仲の良かった女性とも、恋愛で前半に決裂、後には一切出てこない。(彼女も結構凄かったと思う。)
- 耳に残った名、語感等
- 台詞
- 内気な人間が世界を制する
- 君は"美"を愛した
- 君には才能がある 常に君を支えよう
- 服が私の"戦い"です
- 君の望みは生か?死か? 死を望むなら何もしてやれない
- 僕の服やデザインで 自分を表現できないなら 退屈すぎて僕は真う
- 僕は生きたい 君と生きていく
- 愛は危険なものだ だから好きだ
- なぜこんなマネを?キリストの受難か?苦しみが楽しいか?
- 彼を愛してる でも生涯の男は君だ
- 私には主義などない だが"約束"は実行する
- 君が幸せなのは年に2度 春と秋だけだ
- 曲、音
- 独立後初めてのショーの時。不安、緊張感あるピアノ曲。エレガント。
- エンドロールの曲が独特で良かった。声が不思議、震えているような揺れているような……。繊細な話だったな…、と思った。
- フランス語って独特。美しい雰囲気がある気がする。
- 画面、人、他
- とても落ち着いた色調。上品でゴージャスな感じがする。
- 沢山の服や、デザイン画、美しい人々、観ているだけで心地よい。
- いつも〆はウェディングドレス?なんだね。ベールもいいな。
- 幕の覗き穴から、ピンホール超しみたいな画面。丸くぼやけて、モデルに当たる光の輪郭ははっきりして。
- イヴの硬い表情、繊細そうな雰囲気、印象に残る。イヴって名前もなかなか重いなと思う。
- やっぱり、何かしら問題のあった人苦しみを抱えていた人に才能は訪れるのかなぁ。ある程度幸せに育った満ち足りている人は、何もする必要がないからだろうか。それとも、冒頭のピエールの発言のように、天性のものなのか。(まあ、生まれの環境や性質は選べないしね。)
- ショーの後、外出の時も着て。いいね。
- ウィンク
- 壁にいっぱい色々貼るのっていいのだろうか?遠くから見えるし?
- 展開
天才。
愛憎、嫉妬、罪作りだなと思う。
幸せってなんなんだろう。
没落、復活。成功。
全てを手に入れたはずなのに、酒やドラッグに色欲に…、苦しみ続けて、
光り輝くライトと拍手喝采の中でも、明るい顔は見えない。
内気な少年。
無邪気で、優しくなくて。優しく繊細で。
表情はいつも硬い。
ピエールと純粋にイチャついてるシーンはとても微笑ましい。キスして、走って逃げたり、膝に座って小声でジュ・テームと囁いたり。
上質な空気は感じた。
観てよかったなとも思う。
でもなんだか辛いなと思った。
天才と、それを支える人。
★3.5
良かったけれど、複雑な感情が残った。