あるるる~と。

娯楽感想備忘録

『パーフェクトブルー』1997年81分制作国日本

~あらすじ~

アイドル霧越未麻は、所属グループを脱退し女優に転身する事になるが……。
サイコホラーアニメ映画。


※以下ネタバレアリ


~感想~

久々に観返しました。
Blu-rayでも画面がガタガタして辛いけど、まあ古い作品なので仕方が無いのかな。
久々だと、結構色々な事を忘れているのもあって、新しい発見があったりして面白いです。
痛いシーンは思わずこちらまで声が出てしまう笑
初めて観たのは随分と前の事なので、とりあえず今回思ったことだけ書いておきます。書いてない事は、きっとまた観た時にも思うと思う。書いたことも、思うと思う笑。


どこまでが現実でどこまでが夢(幻覚)・ドラマなのか……
過去・昔の自分と、現在・今の自分……


どこまでがME-MANIAでどこまでがルミちゃんなのか……
記憶が曖昧だったんですが、観返すとかなりハッキリしますね。
起きる事件は、
~無言電話+FAX、不良ひき逃げ、HP、手紙爆弾、脚本家殺害、写真家殺害、レイプ未遂、田所・ストーカー殺害、ラスト戦闘~

偽物の始末依頼結果のレイプ未遂&不良ひき逃げ以外は、全てルミちゃんでしょう。(個人情報入手可能、共通凶器、動機。)
無言電話+FAXと手紙爆弾は、ルミちゃん以外にも可能なのではと思うけれど、
電話番号の入手は、流石に知人じゃないと厳しいかな?
手紙爆弾も、部外者可能だけど手紙がFAXと同形式なので、とするとルミちゃんかな。
(この時の未麻は単に女優に転身しただけで汚れていないので、
単に警告で、
彼女に直接被害を与える意図は無い+ただ転身させた田所は傷つけたい意志があった?のかなと思うので、誰が開けるかを確実にわかっていた人物が犯人かと思う。)

そこでわからないのは、不良ひき逃げの犯人なのだけど……、
WikiによるとME-MANIAらしい、えーッ本編で描かれてたっけ…?
でもよく考えてみるとこの事件は、
ルミちゃんとは犯行手段が違うし、ルミちゃんの目的は未麻を汚す存在の抹消なので、
確かに単にライブのジャマをしていただけの不良は対象になるとは思い難い。
とすると、ひと悶着もあったME-MANIAが犯人、という事ですんなりするんだなぁ。なるほど。
ここの未麻の妄想は、合っていたんだな~。
本編中では、他事件もME-MANIAの仕業か!?と未麻が誤解するシーンもあるので、こっちも結構観賞中は混乱しますね。


色々、台詞もニクイな~と思ったり。
オタクの日本のサイコスリラー批判とかw
幾度か繰り返された「幻想が実体化するなんてありえない」というセリフ直後に、今まで散々妄想で見てきたファンに襲われたり。

とにかく画面切り替えの妙が素晴らしいですよね。
濃密かつテンポも良くて、凄いな~と思います。
主人公とともに、こちらも何が現実で何が幻想なのか…、混乱する様を追体験する事になるのも圧巻。

結構細かい伏線も張られつつ、
各人物の心情もちゃんと描かれているので、
序盤のルミちゃんの熱意や愛をみているとなかなかせつないです。
未麻の葛藤や苦しみもしっかり描かれるので、正気を失うにも違和感がありません。
…細かい伏線といえば、咄嗟にチャックカチャカチャは結構大変…とかねw地味だけどちゃんと張られてたなーと思ったり。

あとどうでもいいけど少し気になったのは、
ドラマのレイプシーンは、二プレス使用してる…のか!?みたいな小さな部分w
妙に浮いてるし微妙に描き方が違う気がして今回驚いたのだけど、どうだろう。流石にその辺ちゃんとしてたのかな?!90年代後半か……、う、ウーンわからない!
というか、もうコレって20年以上前の作品になるんですね…そっかあ……。

あ、保志総一朗出てる!?とか意外な発見もありました。

未麻の部屋風景がスキ。


とにかく、
何度観ても映像美や、考え抜かれた構成に、
魅せられる素晴らしい作品だな~と思います。
アニメや映像だからこその表現が活用されていて、目にも楽しいですね。
ああ…、『夢みる機械』……、本当に惜しく思います。
今年が2019年だから、あともう1年で10年が経つんですね。月日の流れは速いなあ、信じられない。まあ、まだ1月も始めだから2年くらいか……。


パーフェクトブルー戦記も久々に読み返そうかな~。
☆5