あるるる~と。

娯楽感想備忘録

『スリーピング ビューティー/禁断の悦び』2011年101分制作国オーストラリア

~あらすじ~

女子大生ルーシー、
ある日彼女は怪しいバイトに応募する。


※以下ネタバレアリ


~感想~

観たかった映画。
気になる題材だったので。

変な話だったな~~~。


1/4で、給仕バイト開始。2/4で、睡眠バイト開始。3/4で、バードマンの死。ラストで、一番の大きい客?に隣で死なれる。
と考えると三幕構成でいいのかなーどうなんですかね。でも、始まりは病院の検査からでラストは死んだときの録画なので違うかな。普通に起承転結?

とりあえず主人公の身体が美しかったですね。ほっそい!まっしろい!
他の給仕の人も綺麗だったけど、主人公が際立っていて凄かった。
主人公だけ金髪で他は黒髪と、衣装だけでなく人種?からして、主人公が本当に主役に映えるよう配置されてた。

盆栽、ティーポットに茶筅、大学の授業で囲碁等、
妙に少しだけ日本要素が入ってくるのは、原作が川端康成の中編『眠れる美女』だからでしょうか。

死、生、眠り、生き返り……。
結構死や生にまつわる単語等が出てくることが多かったので、
眠りと重ねてるのかな。
生と死だけでなく、貧乏と金持ち、若者と老人、結構色々と対照的な概念が多く点在していたかも。

ベッド、横たわる少女、老人。こう揃うと、関係無いけど『フリッカー式』を思い出した。

クララの編み込み+ぐるり髪型面白かった。

基本的に切り替えは黒い画面にフェードアウトが多用されてた。
これは、眠りのイメージがあったりする…のかな?
あと、寝てるシーンや、オーナーと話すシーンなど、場所ごとに決まったカメラワークがあったりして良かったかな。


お金の無い主人公、家も家族と住んでいる訳ではなく居場所が無く、恋人?バードマンは病に伏している。バイト三昧に身体も売ったり怪しいバイトで稼いだり…。
結構明確に語られないので、日常で接する人物たちとの関係性も、曖昧にしか理解できなかったな。

正直全然理解できなかった気がする。
あの一番成功していた、妻も友人も粗末にしてきたと語り、強く老いも実感している様だった老人は恐らく死に場所を求めていたんだろうけど。うーん。
ラストルーシーが泣いたのは、隣で老人が死んでいた事に驚いたから?バードマンの死と重なったのかな。

でも、メインに出てくるのが、少女と老人で、そこに+眠りとなると……、
やっぱり題材のメインは生と死って感じ、なのかな?生の象徴たる少女と死の象徴たる老人で。
眠りは死の比喩みたいな、感じかな。眠りを通して生と死を感じる。

うーんこの物語を通してルーシーは変わるのかなあ。
まあでもあの仕事はやめるかもね。元々短期の仕事にしろってオーナークララからも言われてるしね。
バードマンもいなくなって、これからルーシーはどう生きるんだろう?マリーミー……。

老人たちは、眠っている若きルーシーを通して、もはや手に入らないものを見、虚無を得たりもしたんだろうか?うーむ。
醜い欲望と、不干渉の眠り。どろどろ世界観。


死んだフリ
生きたフリ

サンドヒル・ダナード

"汝 立ち上がって歩け
骨など折れてない"
☆3