あるるる~と。

娯楽感想備忘録

『人のセックスを笑うな』2008年137分制作国日本

~あらすじ~

美術学校に通う19歳のみるめは、20年上の講師のユリに恋に落ちる。
しかし彼女は実は結婚していて……。

※以下ネタバレアリ


~感想~

題名だけは知ってたやつ。
予告をみてみたら雰囲気が良い感じで、気になったのでみることにした。
「みんなさびしいんだよ みんなさびしいんだったらさびしいって言うのなんて意味ない」
「電話に出たくなっちゃうから 出たら会いたくなっちゃうから」「ばっかじゃない!!」
蒼井優だ!松山ケンイチもメチャクチャ良さそうだ。
最近なんかパフュームのマカロニやパピーラブのPVの雰囲気にハマってたんだよね。寒いけどあったかい感じ、っていうかな。

メモをとってみるのしんどいので、今回はメモをとらないで観る活動。止めずに観る意気込み。(途中中断してしまって、後半は結構とっちゃったけど。)



結構よかった。
予告みて、お!と思った人はみて損ない気する。
なぜか妙にアンチ感想?みたいなのも目についたけど、ヒットした?からかな。よっぽどみんなこのタイトルに妙な強さを先入観をもったんだな。
少なくとも当時とか予告前まで感じていた、タイトルからうかがえる雰囲気イメージより、実物のほうが良い映画だったなーって感じました。

冬の物語。
寒々とした風景に、ニットとかあたたかそうな恰好。
タイトルの赤ニット白文字と、ラストの白ニット赤文字。あたたかみ。
冬!だ~

まずタイトルコールで、ハッとした。
「Don't laugh at my romance.」
タイトル下の文章。タイトルの英訳てか副題かな。
あー、このタイトルってそういう意味だったのかーって。
始めにこれが出たので、そういう話か、とそれからすんなり物語が入ってきたなーと思う。
別にタイトルのセックスは、性的な意味でじゃなくて、ロマンス、恋愛を表す広義の言葉というか、だったんだなーって。どこからがそうなの?というか。
なるほどだった。
あとこのタイトル画面もなんかあたたかみがあってかわいいよね。ニットに絵もちりばめられてて、字体もいい。

全体的にとても雰囲気が良い映画だったなーって。
寒々。
印象的なのは、畑等数々の望遠構図と、いっぱいのキスシーンかな~。
あの望遠の構図は、すごくちっぽけな物語の雰囲気がでててよかった。恋愛なんて人なんてちっぽけで滑稽で……。寒々も、閑散としてて際立つ。
ふりそそぐちゅーーの嵐は、すきすき~しあわせな感じがでてて、この話にとってやっぱり大切なシーンかなって思うし。貪られるみたいに目も見開かれてキスされてたのに、自分からゴロゴロ~ってしに行った時はすぐなんか去られたりとかの、二人の温度差とか関係を描く重要シーンだったりするしね、色々なキスシーンがあるのがよかったかなて思う。えんちゃんのところも含めて。
タイトルがタイトルだけど直接的に濡れ場は描かれないので、その分の熱をキスシーンが担ってるかなーって感じもします。
外は基本寒色で、室内…というかアトリエは結構黄みがかった感じで温かい雰囲気があったかもって思う。愛の巣だし…、でもまあ、基本ほんととにかく寒そうで冬の映画だ。


それと服装も好き。
みるめのダッフルコートもすごくいいし。モノトーン調の服装もいい、白パーカーとかニットとか。
そして、えんちゃんかわいかった。
白いどんぐりみたいなぼうしに、カラフルな手袋。特に良かったのは展示に行った際の、色とりどりの寒色寄りパッチワークのケープ!白ニットに白いふわっとした軽いスカート。かわいかったーー。
ダークブラウン?のニットワンピースにジーンズの姿もよかったし。ムートンブーツ。ああいうラフなそぼくな格好が似合うのすてきだ。
ちょーよかった。
あと堂本はなんかカラフルで、どの登場人物もみんな服装でしっかりキャラ立てというか、差が表れててよかったなーーって思う。


結構、えーこんなところでおわるんだな!ってかんじ。
個人的には堂本が報われる?のかは気になってたので、ラストはお…!って感じだった。微笑ましくてよかった、ちゃっかり手つなごうとしたりするし。

ラストの文言
「会えなければ終わるなんて そんなもんじゃないだろう」
うーーーむ。
いいですね。
どうなんだろう、そうだよね、どうなんだろう、って感じだ。
まあなんにせよ、残り続けるものなのは間違いないかも。消えはしないか。だから終わらないか。

いてもたってもいられなくて、相手のことばっかりで一生懸命。
みるめがとにかくユリに会おうとして、家調べたりとか夜中も行ったりするの、
若さっていうか、いいなーって思った。熱いよね。
でも結局おいてかれちゃう。むずかしいね。

えんちゃんもいい子だし、おさまるところにおさまるかなあ……、ってホテルシーンとかは少し思ったけどそうならなかった。せつなかったな。
えんちゃんも少し幼いからなあ。

本人たちは一生懸命だけど、からまわってたり。
なんだか滑稽だったり。
でも、
って感じの話。
いいねー。すごくいい、いいかんじの恋愛映画だった~っておもう。


長い実らない片恋もあれば、急接近して瞬間くっついちゃう両想いもある。

生活感よかったなー
だるま夫婦湯飲み
ぼんぼりストラップがぽっけからはみでてたのもよかった、ぼうしとかも出てくるし。
こたつトンネル
謎のまるい発光オブジェ

丁度真ん中らへんでユリが既婚者なことがわかるので、まあ三幕構成よりなのかな~って感じはする。前半はくっついて、後半はユリがきえて。起承転結か?
もらったライターが、実はハート型だったのが最後わかるのよかった。火がついた…ってことはやっぱり終わらないってことかな。
とまりまくるカブは、みるめの状況、心理描写みたいな役割かなーみたいな。
真っ青な明け方の一人のユリから、最後は屋上で昼頃のみるめなので、まあそんなに…セット感はないかな~。

どうでもいいけどシャイニングの奥さん系の顔や体型してる同級生いたね。

でもユリはやっぱしぐさとか振る舞いが結構、ニクいね~~!って感じ。
特に、覚えてたのに覚えてないフリしたりとか。
寒くてみるめのパーカーきてぎりぎりなワンピース状態になったり。
「だって触ってみたかったんだもん」「やってみなきゃいいか悪いかもわかんないよ?」
どうでもいいけど防寒?かなんかか、ストッキングの上に下着履いてたの印象的だった。
リトグラフ教えてもらうシーンとか、やっぱなんか尊敬できる相手みたいなのって恋に落ちやすいとかあるんかなー?とか思った。楽しそうだったしね。まあでもこの二人の場合はそんなのの前から、初対面からもうちょっとイイ感じだったから関係ないっか。そして色々偶然重なり急接近。こればっかしは縁だね!相性だね!て感じ。
色々ニクい!甘えん坊で、一人じゃ何もできなくて。でもつかみどころがないの。
ぐいぐい来るくせに執着がない感じだから…、気づけばどんどん追いかけたくなって、いつのまにかこっちはまいっちゃう、って感じかな?みるめ視点。
えんちゃんは、その点、強いというか、やっぱ結構妬いてそのまま八つ当たったりしちゃって幼いというか、気持ちが上手い事出てないんだよな。本来伝えるべき気持ちが…っていうか。それももどかしいし、悔しいねって感じだし。
ニクい女だよ!猪熊さんにばんそこはってもらうシーンとか、は~って感じだもんね。やっぱりみるめと居る時とは少し違うんだよな。でも、どこでも愛される人というか、なんだろうな~~~、や~もどかしい!でも憎めないんだよね、そこがニクいよね!すごい。けろっとしたキャラだ。
多分あんなだけど、恋愛に狂うみたいな感じの人じゃないんだなーって感じ、かな。好奇心とか触りたいとかで動いちゃうし好きだから倫理観とかとばして触れちゃうけど、でも別に執着はしない、みたいな。
だからサラッとしてるし、だからこそ夫がいるのにみるめと付き合ったりできるんだろうし、急にインドにいっちゃう。多分、恋愛よりも仕事とかの方が大事なんだろなーって感じ、恋愛は単に娯楽だろうなーって感じする。
それとは対照的に、とにかく色々居所探そうとしたり針金とか引きこもったりとか、恋愛にずぶずぶで他なんもしてないなこいつって感じのみるめも際立つし、
やきもきえんちゃんとかも際立つなあって。
惚れた方の負け、じゃないけど、でもそうかなーって感じだ。
恋愛観違うカップルは大変だろうなって感じする。実際みるめは……。
でも、いい経験だよね。


あと曲もよかった。
特にED曲よかったな~。劇中のラジオとか予告でもつかわれてた曲や、要所要所のピアノのメロディとかもよかったなと思う。


日常ってなんか、すぎていくよね。っていう生活感とか。
とにかくなんか、結構自然な感じの空気が描かれてて。(そんなことないはず?なのに)
そのへんがよかったなーておもう。
なんだかリアルっていうか。
みんな、生活をしてるなーって思って。
私も、良い生活がしたいなーって思った。

ぐるぐるまき携帯とか、観覧車とか。
結構いろいろ、良いシーンがあったなーっと思う。(一緒にベッドふくらましたり、二人乗りとか、ベッドジャンプや、色々……自然かつちまちまとした恋愛事のワンシーンみたいなのがいっぱいちりばめられてて雰囲気あった。三角関係というか矢印も沢山はしってるしね。ままならんねぇ)
廊下をかけはねていくシーンもよかったなー。
ちょうど寒くなる季節、今の時期にみれてよかったなって映画でした。


☆4