あるるる~と。

娯楽感想備忘録

『スノーピアサー』2013年125分制作国韓国・アメリカ・フランス

~あらすじ~

地球温暖化対策として散布された冷却材により、氷河期を迎えてしまった地球。
人類は、走る箱舟、永久機関を持つ列車内に乗客した人々のみが生き残っていた。
しかし、列車内は前方車両の富裕層と後方車両の貧困層と、社会階層が分けられており……。


※以下ネタバレアリ


~感想~


なかなか楽しい娯楽映画だった。
怒涛の展開かつ、緩急が効いてて、イイ感じだった。
暗視スコープカメラワークとか、各車両の別世界感、雪の結晶を見ている時の静や、アクション時の動、など。結構各シーンが多種多様で、激しい時もあれば落ち着いている?時もある、無残な光景もあれば美しい光景もある、本当に様々な世界を突き進んでいる感じだった。各車両ごとに世界があった。プールもあったし。
結構ゴアシーンもあったりなんだりで、ひー!っともなったし、楽しめたな~と思う。
プロテインバーの原材料とか…ショック!


結構登場人物が多いのだけど、個性があるので、なんだかんだ見分けられたかなと思う。
ギリアム(長老的なポジション)についていた、妙にメチャクチャ強い若者のグレイが特に好きだった。
入れ墨が身体中にポツポツ入っていて、降伏or死を、無言で入れ墨を見せて選ばせるシーンとかかっけえ。
そしてやっぱり良かったのは薬中毒のハッカー?&透視能力?持ちの父娘。
ラリってそうで、結構ハチャメチャな感じなんだけど、親子愛が感じられて良かった。お父さんは、娘が人を殺そうとする時とか止めてて、ラストもかばって抱いてて、ぐお~~~!イイね。

服装とかも結構それぞれよかったかな。
絵描きの、丸いライト?付き帽子とか印象的。総理の眼鏡とか。
黄色い服の女とか、衣装変わっても、まっ黄色が一貫しててわかりやすい。
富裕層と貧困層で本当に全然服装が変わるので、差が明らかで良い。
富裕層が着てたバルーンスカートのドレス、なんてことないけど久々にバルーンスカートみた気がした。

アイテムも良かったと思う。
翻訳機とか、未来っぽい。(でもそういえば、冷却材が散布されたのは発表年ぐらいの設定だよなぁ…、無くない?中で発明されたのか?それとも、既にあるよ設定で現実の世界とは違う世界設定だったのかなー。)
銀色で平べったく丸く、青色にぴこぴこというか光ってて面白い。
でも建物内や服装等、ちょいレトロ?な空気もあり、雰囲気よかったな~~と思う。
監獄が引き出し状になってるのとか、ダークでいい。
卵にまで手紙入ってるのええーーだし。

結構モブに日本人も出てて、寿司屋があったり……。笑う。
日本語はわかるけど、やっぱり同様に他言語使われてたのかな。他言語のネイティブは、こちらが日本語を聞き取った時と同様な感覚で観てるのかしら。まあ多分そうだよね


伏線回収も結構効いてた。
腕の有無の話や、ウィルホード(列車の主)の話はきくなとか。
薬クロノールの産業廃棄物で発火し易い設定とかね!あー!ってなった。
序盤、エドガー(主人公に懐いていた青年)に母親の話を振るシーンとか、ラストで意味を持って、は~~だったし。
ステーキの記憶とか、変だなと引っかかってたけどまさか……。

多分、三幕構成……でいいのかな?
最後尾脱出、富裕層車両へ(エドガーの死やリーダー交代?)、先頭車両到達、停車。
結構、え!?え!?の連続だったりして、ハラハラドキドキした。

各車両の違いも良かったけど、戦闘も結構バリエーションがあって、
普通の乱闘から、マジの武器あり殺し合い乱闘に、暗闇戦、カーブ時の遠距離射撃戦や、サウナルーム?での遮蔽物というか隠れ場所ありの戦闘など。本当、画面自体の色味まで含め、多種多様さがあった。
戦闘時にも、一瞬静止シーンというか静かなシーンがあったりして、緩急が効いた映画だった。
ゴアも結構工夫というか…、見せしめの腕凍らせとかも本当、ひえーだったな。

あと、外って初期起きた「7人の反乱」の人々だけでなく、駅?みたいなところにも凍った人間っぽいのが沢山いた気がする。
真っ白である種綺麗な世界なのだけど、そういう不穏さもあり、良かったかな。絶望感。


しかし……、
外には出られるようになったとは言え、17歳?の娘と子供の二人、白クマ……。
あの先どうするってんだ。結構投げっぱなしエンドで、ちょマジかぁ……ではあった。
犠牲者が出るから列車は止めたけど、結果沢山の人が死んで、コレはもうやっぱり全滅なのでは???うーん。
少しレビューを読んでいたところ「アダムとイブ」という感想があり、成程と思った。

とはいえ、
本当、緩急があって、色々な列車があり、楽しかったな~という印象の映画でした。
原作は海外コミックの様で、監督は韓国の方。そういえばあまり韓国映画って観た事ないし、アメコミ等もあまり読んだことがない、この新鮮さはソレもあったのかな?
なかなかドキドキハラハラとできて、楽しい映画体験でした。トンネル水槽や畑に学校、果物の皮を向きつつ本を読むおばあさんに、阿片窟?やディスコ、後方車両も手作り滑車?等面白かったし、結構各車両印象的で綺麗だったな。そして真っ白な外。個性やロマンの詰め合わせじみてた、でもそういう夢って大切かも。アクションも多種多様で楽しかったです。