あるるる~と。

娯楽感想備忘録

『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』2014年105分制作国フランス

~あらすじ~

実話が元。
問題児クラスが、担任から提案された全国歴史コンクールへの参加を通して変わっていく。


※以下ネタバレアリ


~感想~

事前知識無しでの鑑賞。
アウシュビッツ題材の映画は『愛を読むひと』以来だった。
久々に観た、史実ものというかエンタメ色より勉強色寄りの実話映画でもあったので、歴史について少しでも触れられて良かった。
視聴しながらメモをとったので、結構文章は違うと思う。雰囲気のメモで。


ゲゲン、クジジ、ルムシュ、ペタン、ユメ、クララ、ジゲル、
色々と耳慣れない語感の名前が多くて印象的だった。

アーリア人、ショア、ブーヘンヴァルトの誓い、
知らない単語も多くて勉強になった。
プロパガンダ、絵にされている意味、とか。考えさせられた。

必ず生き延びる、
命と尊厳は戦って守る、
神ではなく人間を信じる、
いつか正義は取り戻される、
実際に体験した人の話もとても印象的だった。強い意志の大切さというか。それが自慢でも些細な事でも……。

無意味な人生は嫌だ、
私を知らない誰かの役に立ち、
生き続けたい。
これはわかる思考だなと思い、普遍的な欲求なのだなと思った。
思うきっかけや意味に強さは違えども。

あのピアノ曲は定番だなぁ。合う。
中流れたヒップホップ?ラップ?も少し気になった。どういう位置付けの曲だったんだろう、身近なのかな。


生徒達にはそれぞれ自然に個性があり、ただ観ているだけでもなんとなく個々がある程度覚えられた。
一方、ガス室の話題で、被収容者は服を脱がされ髪を剃られており個性を奪われていた、というシーンがあった。
個性。今の生徒たちとも重なるというか、対照的に映って、印象的だった。
生徒たちは、服装を学校側から制限されたりしていて、今作は服装の制限シーンから始まった。

クラス内ですら信仰の違いが沢山あって、生徒達は衝突しあったりする。ただでさえ多感な時期なのに、とても難しいなと思って、驚いた。露出の多い服装?による女性軽視的なシーンもあったし、とにかく色々な思想の問題が絡み合ってた。保護者や学校側の意向なんかもあるし。そのうえ、若者らしい無駄なからかいとか激しい教師いじりなんかもあって、超大変だった。
日本は圧倒的に日本人の多い国なので、人種間での衝突みたいなものはあまり日常的じゃない様に感じるけど、確かに海外では様々な人種が同じ場所にいる事があるんだろうから、それって結構生活違うなあと思った。こういう事って、結構知らないね。
初期の生徒達はかなり問題児達だけど、何をすればいいのかわからず迷っているだけなのかもなとも思った。モヤモヤと、閉塞感や反抗心みたいなものに惑わされて。コンクール参加というきっかけがあってよかったな。


勉強になった。
10代の時期に、こういう勉強を真剣にする体験って大切だろうなと感じた。
これによってやっぱり結構生徒達の人生は変わっただろうと思う。
一人少し目立つ生徒が居たけど、彼が実際に体験した物語だったんだね。書いた本人が出演しているというのがまた、成程…良かった。体験に説得力が増しますね。当時からの夢だった映画を学ぶ事も、叶えられたんだなと思って良かったし。
歴史を学ぶ事、残す事、大切なことだなと感じた。伝えていくことの大切さ。