あるるる~と。

娯楽感想備忘録

『キッチン』1989年106分制作国日本

~あらすじ~

唯一の肉親である祖母を失なった少女みかげは、祖母の知人であった雄一から一緒に住まないかと声をかけられる。
そして、みかげと雄一と雄一の母、3人の共同生活が始まる。


※以下ネタバレアリ


~感想~

美しい映画
古き良き、日本映画と感じた。
草花がそこに自然と在る生活って、よいものだなぁ。
画も音楽も、とても雰囲気の良い映画だった。
台詞も沁みるものがあり、良い作品だった。

声が独特、時代かな?作り方が何か今と違うのかも。


綺麗な名前 桜井みかげ
綺麗な家
綺麗な服 透かした刺繍?とか上品
綺麗な人々
美味しそうな料理に、生き生きとした緑。

あなたが優しいから優しいのよ
善い人のもとには善い人が集う法則だな。

輝くミックスジュース
ミックスジュース作るだけで、みんなで見つめて、暗い部屋の中で、なんて楽しそうなんだろう!
誕生日には、クルクル回りながら食事したり、その時々を楽しむ心が感じられて、素敵だ。

夢のように美味しい食事
毎日がパーティ
食べ物は光を出す

ガラス越しに撮ったりするシーンいいね。揺らぎ。
緑が本当に美しいよ。
どの家も立派だったり素敵で、色々と雰囲気出てる。
白タクシーンだって撮り方が綺麗だなー。
みかげの冷蔵庫、カワイイ。


丁度中間あたりで不思議(不穏)な電話が。
前半はふわふわと幸せな生活だったけど、そこから現実的な話が始まる。
前半もへんな展開ではあるけど、後半はさらに驚く展開があったりして吃驚した。
まさかの精神病院入院、お母さん…アクティブだよ。
でも、他の場所に行くって大事だね。交際範囲を広げる。
みかげも成長していく。

全て共通でなければ本当にはわからない、
感性が似てる人には説明してわかってもらえてるような気がするだけ、それはとても優しく温かく感じるのだけど。
正直言う事が誠実ではなく、何を言うか選ぶセンスが誠実。
人間は絶望する事によって自分のよりどころがわかり、それを伸ばすことによって希望というものがついてくる。
距離があったから特別になれた。

みかげはとてもゆったり優しい女の子だけど、芯がちゃんとしていて自立していて、綺麗だった。
他の女との対話の時、私だったらあんな色々言われたら…、どっちの立場でもだけど、なんか相手に同調してしまいそうだな。お互い自分の立場を崩さず凄いなあと思った。
職場だから、泣きながら包丁で刺してもかまいませんか?とか、丁寧な口調で凄い脅しするし、みかげ凄いよ。
ヨーロッパ行きと、雄一との生活で彼女は雄一を選ぶ。やっぱり恋と夢って二者択一なのかしら。
みかげの生活は本当に目まぐるしく変わっていったけど、でも彼女は強くて、前に進み続けている感じがした。


生命の水
1人のキッチンから2人のキッチンになった。

なんだかよい感じの映画でした。柔らかな映画。
私も美しく、こだわりある整頓のされた家で、緑とともに、日々を楽しみ、生活していきたいなと思った。
お母さんの絵理子さんがとても良いキャラクターだった、重みがあり、愛に溢れ、素敵でした。